がんになると、抗がん剤の影響や、投薬・治療による身体ダメージの蓄積で食欲が低下していきます。
末期大腸がんだった妻も例外ではなく、少しでも栄養をつけてほしい、何か口にしてほしいと私はあれこれ試行錯誤したものです。
今回は私が妻に食べさせて良かったものや心がけたことをお話します。
ジューサーで野菜・果物ジュースを作ったこと
新鮮な野菜や果物を丸ごと摂取してほしいと思った私は、まず質の良いジューサーを探すことからはじめました。
ジューサーはただ砕けばよいというものではなく、栄養素を壊さないように、そして丸ごとジュースにできる馬力があるものが重要です。
4つほどジューサーをためした結果、このジューサーが一番良かったです。
皮を含めて丸ごと入れてもスムーズにジュースになってくれること、短時間で手早くジュースにしてくれる(栄養素が壊れにくい)、栄養の吸収率が他のジューサーに比べて高いこと、何よりこのジューサーで作ったジュースが一番味が濃くて美味しいと妻が喜んでくれたことでした。
ジューサー選びひとつで栄養の吸収しやすさ、美味しさはかなり変わります。
抗がん剤治療で味覚が変化していた妻にとってはちょっとした味の変化は「金属の味がする」「砂をかんでいるみたい」とすぐに食べなくなりました。
このジューサーは他に比べ、妻がずっと好んでくれたので本当に栄養面でも味の面でも自然のままなのではと感じました。
迷っている人は是非試してほしい一台です。
緑茶にこだわったこと
妻はとても緑茶好きで、逝去する直前まで緑茶を愛飲していました。
私は妻が口に出来ていた数少ない食べ物の質をあげることを重要視していましたので、緑茶にもこだわりました。
おすすめはこれです。
安心の国内生産茶葉、レモンの約2.6倍のビタミンCがとれること、茶葉ごと粉末にしてある特殊製法、ダマにならなくて美味しいというのがポイントです。
粉末緑茶はダマになりやすく、ダマが喉にさわると咳き込んでしまうことがありました。
しかしこれは驚くほどサッと溶けてくれることで、妻はスムーズに緑茶を飲むことができました。
たった一口二口しか飲むことができないことが多かったですが、その一口二口が、がん患者の抵抗力を支えると私は思っています。
たかが緑茶と思わないで、是非取り入れてほしいです。
基本の食事にこだわったこと
これは妻の容態が良くなって、体力をもどしたいと思っていた時期の数ヶ月利用させていただきました。
>>管理栄養士監修!つるかめキッチン
食欲の低下に悩まされ、私自身も料理が得意でなかったこと、毎日妻の献立を考える精神的な余裕がなかったことも理由のひとつでした。
宅食サービスには正直抵抗があったのも事実です。
冷凍されたものが届き、レンジで温めるだけだったので、その手軽さが逆に不安でした。
しかし出来上がったものを実際に食べてみると、しっかり味がついて素材の良さが生かされているのが素人の私にもはっきりわかりました。
妻も美味しいと喜んで食べてくれました。
体調が不安定だったため、完食してくれたのは数えるほどでしたが、いつも半分以上は食べてくれました。
投薬の影響で、プリンひとつ食べるのにも苦労していましたから、これだけ食べてくれることは本当に本当にありがたかったです。
まったく食べられない時期も事前に連絡すれば、休止することもできたので、無駄に食事がたまっていくこともなく経済的でした。
栄養面、そして「美味しい」と言って食べてくれること、食事をとってくれることがこんなに幸せなのだということも、がん患者を支えてわかることなのですね。
おわりに
妻が末期大腸がんと診断され、治療、そして残された時間を大切に過ごす(治療を断念する)ときに利用したものを紹介しました。
妻の闘病の数年前に白血病で亡くなった娘にはこういうことはほとんどしてやれませんでした。
娘の病気の現実を受け止めるまでに時間がかかり、毎日がいっぱいいっぱいで、娘が希望するものは何だろう、ということから考えていくしかありませんでした。
そういった面では妻には何かしらできることはできたと思いますが、こういった毎日の食事の大切さは病気になって初めてわかることも痛感しました。
大切な人に、家族に1日でも長く楽しく過ごしてほしい。
できることをひとつずつ考えていきましょう。
コメント