抗がん剤治療、放射線治療などのつらいがん闘病生活を経てがんを克服し日常生活に戻った矢先、突然の再発。
患者さんは、これから始まる治療生活、治らないかも知れない不安、再度の闘病生活に不安と絶望を抱きます。
そんなとき、周囲や家族はどんなケアができるのでしょうか。
私が過去に体験したことを交えて書いていきます。
がんが再発した人への心のケア
- 寄り添って話をきく(聞き役側に回る)
- そっとしておく
がんが再発した人に対して周囲ができることは、患者さんに寄り添って話をきくことです。
再発の不安、これからの治療、将来への恐怖など、初発のときとは違った不安を抱えています。
寄り添い話をきいてあげてください。可能な限り聞き役に徹するのも大切です。
感情的な発言や、「それは違う」と反論したくなる意見もあると思いますが、極力聞き役になり、相槌をかわすようにしてください。
また、人によっては「そっとしておいてほしい」「一人の時間がほしい」という場合もあります。
そのときは患者さんの意向を尊重し、心が落ち着くまで見守ってあげてください。
娘が再発したときの話【体験談】
娘は小学校低学年のとき白血病を発病、そのまま闘病生活にはいりました。
わが子がまさか白血病になるとは夢にも思わず、現実を受け入れるのに時間がかかりました。
治ると信じて、絶対治すんだと誓って娘と戦った闘病の日々。
つらい抗がん剤治療、放射線治療を娘はがんばりぬきました。
そして迎えた退院の日。
ここから娘の新しい生活が始まる、今まで我慢させてきた分たくさん楽しい事をさせようと妻と抱き合って喜びました。退院後は感染症などのリスクを考えて1ヶ月ほど家で静養させ、まずは午前中から学校に通わせようという話になっていました。
マスクをつけて登下校は妻の送迎、体育はしばらく見学です。
体力がついてきたら徐々に普通の生活にもどしていく予定でした。
しかし退院から1ヵ月後、学校に戻って2日目で体調不良を訴えた娘。
嫌な予感を抱えながらも「疲れてしまったに違いない」と思いながら病院へ連れて行きました。
結果は無常にも白血病の再発だったのです。
再発したことで、これまでより強い抗がん剤治療、放射線治療でがん細胞を叩かないと効果がありません。
再発するたびに予後は悪くなります、と主治医にはっきり言われました(私が包み隠さずはっきり言ってほしいとお願いしたのもあります)。
残念ながら娘は再び学校生活に戻ることはできませんでしたが、最期の日まで娘は生きることを諦めず精一杯がんばりました。

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