我が子が小児がんになってしまうことは、自分ががんになるよりも遥かにつらいことです。
小児がんの親が誰にも言えずに抱えている悩みはどういったものがあるのでしょうか。
そして周囲の人には何ができるのでしょうか。
娘を小児がんで亡くした私の経験を交えてお話します。
小児がんの子供の親が抱える悩み
- 「自分の育て方が悪かったのではないか」という罪悪感
- 治ってくれるのだろうか、元気になってくれるのだろうかという思い
- わが子の将来のこと、再発への不安
我が子が小児がんになってしまったとき、「自分がもっと気をつけていれば」「治るのだろうか」「なぜうちの子なんだろう」と思い悩みます。
『血筋のせいじゃないのか』『しっかり子供をみないからだ』といった周囲の無理解な言葉に傷つくこともまだまだ多いのが現実です。
そして誰にも相談できず、自分を責め続けてしまうのです。
「自分の育て方が悪かったのではないか」という罪悪感
育て方の良し悪しで子供が小児がんになる事はほぼありません。
小児がんの発生の原因はほとんどが突然変異によるものです(成人のがんの場合、生活習慣のほか家系による場合もあります)。
ですので、育て方が悪かったなどと自分を責めないで下さい。
小児がんになってしまったことはご両親はもちろんのこと、誰も悪くありません。
私や周囲の人はそれは違う、なってしまったことは仕方がないから、みんなで力をあわせて治療していこうと励ましたものでした。
治ってくれるのだろうか、元気になってくれるのだろうかという思い
わが子のがんは治るのだろうか、元気になってもとの生活を送れるようになるのだろうか。
小児がんの種類にもいくつかあり、親はわが子がかかった小児がんの治療方法や予後などを調べ、悩みます。
うちの子は大丈夫!きっと克服してくれる!と強く信じていても、検査の数字を目にするたびに不安が胸をよぎりました。
わが子の将来のこと、再発への不安
闘病を終え、日常生活に戻れてもわが子の将来への不安は尽きることはありません。
後遺症はでないのか、再発への不安、小さいときに投薬をたくさんしたことでの免疫力、抵抗力の低下などが不安になります。
どうしても治療生活を送った体は他のお子さんに比べて免疫力や抵抗力が低い傾向にあるようです。
ご家庭で体調を崩さないようにより配慮し定期健診をしっかりうけて早め早めの病院を心がけるようにしてください。
日常生活は他の子に比べて気をつけなければいけないことや、服薬、通院などが続くことがありますが、完治してくれたこと、元気になってくれたことにただただ感謝の気持ちでいっぱいでした。
普通の日常生活が送れることのすばらしさ、「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」「おやすみなさい」当たり前の会話ができることで胸がいっぱいになりました。
小児がんの親に対し周囲ができること
- 相談相手、聞き役にまわる
- 「困ったことはない?」と不安や問題を話しやすい下地を作る
私個人の見解であり、すべてに当てはまるものではありませんが、「小児がんの親だから」という前提をあまり持ちすぎないでほしいのです。
確かに小児がんの子供は他の子に比べ、周囲の助けや理解が必要です。
その一方で「皆と同じように子供を育てている親」であることも忘れないでほしいのです。
どの親にも子育ての不安や子供の悩みなどあります。
その延長で悩みなどをきいたり、話したり出来る下地や相談ができる環境があればきっと助かるのではないでしょうか。
小児がんのお子さんをお持ちの親御さんの「うちの子はがんなのだから」と周囲の厚意や配慮を当たり前と思わない、謙虚な姿勢も大切です。
さいごに
わが子が小児がんになると多くの悩みがうまれます。
治療のことや今後のことはもちろん、子供の社会復帰に問題はないのか、周囲の目はどうなのかなど不安は尽きません。
周囲から理解と協力を得るために、必要な情報を学校や友人に話しておくことが大切です。
「病気なんだから」と協力を強制するようなことがないように気をつけてください。
また、周囲も相談をしやすい姿勢や環境づくりに配慮していただけると1保護者として嬉しく思います。
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