末期がんの余命が数日になると、特徴的な症状が現われることが多くあります。
余命数日の特徴を把握できることで、残される家族は見送りの準備と覚悟ができます。
特に「最期に立ち会えなかった」と後悔する人たちも減るのではないでしょうか。
今回は末期がんの余命数日の特徴的な症状と家族ができることについて書いてみたいと思います。
末期がんの余命数日の特徴的な症状
- 「せん妄」の時間が長くなる。
- 尿が出なくなる。
- チアノーゼが出てくる。
これらは一般的にみられる特徴であり、私が経験した中で感じたことです。
がんの進行状況や、患者さんの全身状態でかわってくることがあります。
それぞれどういった症状や特徴があるのか、私の体験談を交えて解説していきます。
「せん妄」の時間が長くなる。
せん妄とは幻覚・幻聴・意識障害が起こって頭が混乱した状態です。
余命1週間以下と判断される頃から、1日で何回もせん妄が現れるようになります。
序盤は1回のせん妄時間は短いのですが、日に日にせん妄の時間が長くなります。
※せん妄についてはこちらで書いています。参考にしてみてください。

尿が出なくなる。
余命が数日になると、尿が出なくなります。
心臓の機能が低下し、腎臓への血流が減っていくためです。
そのため、尿量が減ってくるとお別れの日がすぐそこまで迫っていると判断されます。
チアノーゼが出てくる。
チアノーゼは心肺機能が著しく低下した時に現れる症状のひとつです。
そのためチアノーゼがみられると余命はあと数日と判断されます。
余命数日のがん患者に家族ができること
余命数日のがん患者に対し、家族ができることはいくつかあります。
手足をさすりながら耳元で優しく語りかけたり、会わせたい人を呼び寄せたりなどです。
眠っている時間のほうが多く、患者さんからの反応はほとんどないかもしれません。
しかし、天に召されるその瞬間まで、患者さんは触覚や聴覚を通して周囲の状況を感じています。
あなたの言葉も、さすっているぬくもりも絶対に届いています。
今までの思い出、感謝の言葉を伝えていってください。
言葉にだして伝えていくことで、遺される家族も最期の別れと区切りの覚悟が少しずつできていくのだと感じます。
管理人の体験談
娘(白血病)の時は余命に関してあと数日あると思っていましたが急変し、心肺停止。
懸命な蘇生を試みましたが、甲斐なく旅立ちました。
主治医から「最期の入院になるでしょう」と宣告されていたため、最期の入院の前の外泊で会わせたい人にはあわせておきました。
それでも人工呼吸器をつけてから、あと数日過ごせると思ってましたから、急変に見送りの覚悟ができきれなかったのは今でも心残りです。
私は娘に会わせておきたかった人たちに会わせる事ができたこと、会ってくれた人たちが「会えてよかった」と言ってくれることが今でも小さな喜びです。
余命日数を鵜呑みにせず、会わせたい人には可能な限り会わせ、やっておきたいことは今すぐできる範囲で実践することをしてほしいと思います。
さいごに
最期の数日を予測し、本人の近くで悔いなく過ごせたという事実は、遺された人にとってお別れ後の深い悲しみからいつの日か立ち直るきっかけになってくれるはずです。
しかしながら急変の可能性も否定できません。
死に目にあえなかったことを後悔する日々にならないよう、余命1ヶ月以降の状況をよく知っておく事が大切です。

余命数日と告知され、愛する人との別れの日がすぐそこに迫っているとき、会わせたい人に会わせる、家族でだっこする、見せたい景色をみせるなど、「何をしたいのか」「何ができるのか」の優先順位を冷静に見極めることが大切になります。
悔いのないお別れ、正しいお別れの形はありません。
患者さん一人一人、家族ごとに違っています。
それぞれが少しでも悔いなく思いを伝えられたお見送りができることを祈っています。
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