娘の小児がん(白血病)の治療の中で、治療の選択肢として上がったことがある「大量化学療法」。
これは治療効果が見込める治療ですが、その分患者さんへの体のダメージが非常に大きな治療です。
治療内容や副作用、治療として提案されて思ったことを書き残していきます。
小児がんの大量化学療法
大量化学療法とは、規定量の何倍もの抗がん剤を一気に投与する治療法です。
抗がん剤を多く投与すればするほど治療効果が大きく期待できますが、そのぶん体へのダメージが非常に大きくなり、血液細胞の回復に時間がかかることで感染症にかかるリスクが高くなります。
この治療を行う前に、患者本人の血液から造血幹細胞(血液を造る元になる細胞です)を採取して別に保存しておきます。
そして、大量化学療法後に患者さんに戻すことで、確実に血液細胞の立ち上がりを期待することができるのです。
非常にリスクの高い治療であることから、この治療法が選択できる条件、状況は限られています(常に使える治療法ではありません)。
大量化学療法の副作用
大量化学療法は多くの副作用が生じるリスクがあります。
白血球はほぼ0に近いところまで減少するため、感染が非常に起こりやすくなります。
普通だったらなんでもない細菌でも重症化するため、大量化学療法の前後は無菌室での徹底管理が必要になります。
大量化学療法において、どの抗がん剤を、どれくらいの量投与するかは小児がんの種類や患者の治療状態などでもかわってきますが、副作用は、嘔吐、下痢、気持ち悪さ、食欲不振、脱毛、口内炎などのほか、腎臓、肝臓、心臓、肺などの臓器にも大きなダメージが加わることもあります。
大量化学療法を提案されたとき-娘のがん闘病-
白血病だった娘に、大量化学療法を提案されたのは、再発後のことでした。
正確には提案ではなく、こういった治療法も今後の治療次第では選択するかもしれない、というくらいでした。
結果的には娘の病状では、この治療法を選択することはできませんでした。
もし、選択できていたら娘は今顕在だっただろうか、リスクは高くても効果は高いからきっと治ったのでは…という思いがあります。
反面、治療がうまくいかなかったら苦しめるだけになりはしないか、それは娘の残り少ない時間を有意義に使えたとはいえないのではないか。
1分でも1秒でも我が子の苦しみがなくなり、笑顔で過ごしてほしいというのは親心です。
今も「大量化学療法をやっていたら、やれていたら」と考えることはあります。
その答えはでないままです。
さいごに
大量化学療法は患者と家族にとって最後の希望に等しいです。
そして治療中に亡くなってしまうリスクも非常に高い治療法でもあります。
私の娘はこの治療を選択することはできませんでしたが、もし選択できるとなったとき、本当に受けられるのか、万が一のことが頭をよぎらないのかを考えてしまうでしょう。
我が子を助けたい、未来を繋ぎたいという思いは親なら誰もが思うことです。
この治療法の可能性が開いたとき、受けるのであれば万全の態勢で望んでほしいと思います。
そして、病を克服して娘の分まで幸せになってください。
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