小児がんでお子さんを亡くされた悲しみ、喪失感、絶望感ははかりしれないものです。
失う怖さから、失った後どう生きればいいのかわからず、気力がわかない日々を過ごしているご家族も少なくないでしょう。
ここで忘れてほしくないのは、遺された兄弟の心のケアです。
いつも一緒に居た兄弟がいなくなった事に、小さい胸を痛めていることでしょう。
今回は小児がんで亡くなった後、残された兄弟の心のケアについて考えていきましょう。
兄弟の人知れず我慢している姿に気づいてあげること。
兄弟の逝去後、残された兄弟は落ち込んでいる両親を励まそう、心配かけまいと元気にふるまおうとします。
学校に笑顔で登校したけれど、学校で泣いていたということも実はとても多いのです。
健気に明るく振舞う姿に、両親は心を癒されると思います。
しかし、その影で大好きな兄弟を失い、落ち込んでいる両親の姿にも心を痛めている本当の姿にも目を向けてほしいと思います。
お子さんとたくさん話すこと
留守番が増えたり、思うように兄弟と遊べなくなったり、両親からもあまり構ってもらうことが少なくなるなど、小児がんのお子さんの闘病中で残された兄弟は沢山の我慢をしてきました。
お子さんとたくさん話をして、逝去した兄弟の思い出、悲しみを共有していく事が大切です。
そして、「我慢させてごめんね、留守番してくれてありがとう、協力してくれてありがとう。あなたががんばってくれたから○○(闘病した兄弟)もがんばれたんだよ。」と伝えるのも忘れないで下さい。
自分の我慢、がんばりを両親はみていてくれたことはお子さんにとって嬉しいはずです。
兄弟が亡くなったことをどう伝えるか
遺されたお子さんは、兄弟が亡くなったことを理解しきれないこともあります。
どうしてもう会えないのか、どこにいってしまったのかを優しく諭す必要もあります。
「お空にいってしまったの。でもね、ずっと○○ちゃんのそばにいて見守ってるんだよ」と和らげて伝えるか、はっきりストレートに伝えるかは、お子さんの年齢、各家庭の教育方針や、考えなどで決めると良いでしょう。
学校や習い事での様子を確認する
兄弟を失ったお子さんと言うのは、学校内でも話題になりやすく、「どうして兄弟が亡くなったの?」「悲しくないの?」といった質問攻めにあうことがあります。
質問する同級生は純粋な興味本位できいてくるため、悪意はありません。
しかし、実際に兄弟を失ったお子さんにとっては辛すぎる質問です。
お子さんは実際にそういったつらいことがあったとしても、両親には言わないという子が多いです。
そのため、学校の様子はどうなのか、泣いていたりしないか、いじめられていないかをこまめに学校の担任と連絡をとって確認することが必要です。
さいごに
小児がんで我が子をなくす悲しみははかりしれません。
しかし、たとえ幼くても、遺された兄弟も悲しみ、辛さの中にいること、人知れず我慢していることを忘れてはいけません。
学校や習い事、友達と遊んでいる中で変化がないか、見守ってあげるようにしてください。
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