小児がんで抗がん剤治療が進むと、副作用として脱毛が始まります。
治療の為にどうしても必要な抗がん剤治療ですが、子供にとって髪の毛が抜けてしまうのは大変なショックになります。
特に女の子は辛い思いをすることになるでしょう。
今回は、体験談を通して、小児がんで髪の毛が抜ける事の説明、心のケアについてお話します。
子供は髪の毛が抜けるショックを親に言わない
子供は両親や周囲の様子を、こちらが思っている以上によく観察しています。
自分の病気を治すために一生懸命になっていること、治療費がかかっていること、寝る時間を削って看病してくれていること…。
小学生に入る前の子供でもちゃんとわかっています。
そのため、自分の髪の毛の悩みを言い出せないで我慢している子が実は多いのです。
言わない=悩みがないとは言い切れません。
親が子供の心に寄り添い、声をかけて安心させることが必要となってきます。
髪の毛が抜けることの説明
お子さんにこれからの治療で髪の毛が抜けることを説明するのはとても辛いことです。
前触れもなく抜けてショックを受けてしまうより、説明をきちんと行ったほうが良いでしょう。
事前に両親から説明を受けることで、お子さんにも覚悟が生まれ、病気と闘おうという気持ちも芽生えます。
ここで、説明をするときのポイントがあります。
ただ脱毛することを伝えるだけでなく、「治療が終わったら髪の毛はまた生えてくるよ」、「治療は必ず終わって良くなるからね」、と治療は必ず終わること、また髪は生えてくることをしっかり伝えて安心させることです。
辛い治療の先に良い結果があること、脱毛は続かないことを示してあげることが大切です。
実際に我が子の髪の毛が抜ける様子をみて…(体験談)。
「抗がん剤のこの薬で脱毛が始まります。投薬を開始して大体○日目から抜け始めます。」
娘が抗がん剤治療を始める前、このように、脱毛の説明を治療スタッフから受けました。
実際に治療を始めて、目安に言われた日にちから髪が抜け始めました。
頭をなでただけで抵抗なくパラパラと抜けていき、枕から頭を起こすと枕にたくさんの髪の毛が残る様子をみて、「治療が終わったらまた生えてくる」と頭では分かっていても、
平然とはいられませんでした。
何より、こんなに髪の毛が抜ける抗がん剤の強さ、恐ろしさを改めて実感した瞬間でした。
娘は髪の毛が抜けることに関して、何も言う事はありませんでした。
抜けた髪の毛が服の中や寝具に落ちてかゆがるくらいでした。
実は髪の毛が抜けていたことにショックを受けていたのでは、私たちには言えなかったのではという思いが今もあります。
さいごに
抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けることは、親御さんのショックはもちろんのこと、お子さんも大きなショックを受けます。
治療の副作用でどのようなことが起こるのか、そしていつ収まるのかを事前に説明しておくことで、お子さんにも覚悟が生まれます。
実際に髪の毛が抜けていくと、寝具が汚れたり、かゆがったりしますので、こまめな寝具の取替え、着替えを用意してあげてください。
髪の毛が抜けることをお子さんがショックを受けてもなかなか周囲に言い出せないこともあります。
どんな小さな悩みでも受け止めてあげられるよう、寄り添ってほしいと思います。
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