抗がん剤治療は吐き気、脱毛、抵抗力の低下など様々な副作用が起こる辛い治療です。
このような抗がん剤治療を受ける、受けている患者さんに対し、どのような励ましをすれば良いのでしょうか。
娘と妻のがん闘病の体験を元に、嬉しかった言葉や、辛い治療に向かう患者さんの背中を押す励まし方について書き留めてみようと思います。
抗がん剤治療を受けるがん患者さんの励まし方のコツ
抗がん剤治療を受ける患者さんは「副作用が怖い」「社会復帰できるのだろうか」「治るのだろうか」ということを不安に感じています。
そんな中で「絶対に治るよ」「かわいそう」という言葉で励まそうと思う人は多いでしょう。
しかし根拠の無い「治るよ」という言葉や、哀れむ発言は、励ましているつもりでも、逆に患者さんを深く傷つけることがあります。
参考家族がガンになったら絶対してはいけないこと、言ってはいけない言葉。
- 普段どおりに接する。
- 「何か困っていることはない?」の一言。
- 患者さんと近い未来をイメージする。
「がん患者である」レッテルを持ちすぎてはいけません。
がん患者である前に、あなたの大事な友人、家族であることを忘れないで下さい。
普段どおりに接する。
「がん」は特別な病気ではありません。
誰もがなりうる病気で、かわいそうと思われたり、特別扱いされることは、患者さんにとってとてもつらいことです。
病気の話題を不自然に逸らすことも、気を遣っているようで、病気であることを強く強調させてしまうこともあります。
がん患者に言葉をかけるのは難しいかもしれません。
しかしながら、患者としては、やっぱり普段どおりの対応と普通の会話が一番嬉しいのです。
「何か困っていることはない?」の一言。
抗がん剤治療を受けること、その副作用、そして今後の治療方針などで、患者さんはネガティブな考えにハマりこんでしまいがちです。
他の人にはわからない気持ち、ストレスで胸が押しつぶされそうになるのです。
患者さんに必要なのが、こういったストレスや、不安感、恐怖感を吐き出せる存在です。
「何か困っていることはない?」という一言で、胸の中にある気持ちを吐き出してもらうようにしましょう。
数十分会話するだけで、不安を聞いてもらえるだけで、患者さんの心は軽くなり、治療に対し前向きな気持ちを持ってもらえるようになるでしょう。
「これに困ったことがあれば書いて渡してね」という形だと、言いにくい事も書いてもらえるかもしれません。
患者さんと近い未来をイメージする。
「抗がん剤治療が終わったら、小旅行に行こうね」、「抗がん剤治療が始まると、食事が限られてくるから今のうちに友達を集めて豪華なパーティをしよう!」など、少し先の未来に、できるだけ現実的な嬉しい未来の共有を呼びかけることは、患者さんにとって非常に嬉しいことです。
漠然と「治ったら~しよう」ではなく、一緒にやろう、一緒に行こうという「(私たちとあなたで)楽しい時間を共有したい」ことを患者さんに伝えることです。
近未来の具体的な楽しみは、患者さんにとって強い生きる目標となり、治療を頑張ろうという気持ちになります。
私は妻に対し、「この治療が終わったら水族館に行こう」「治療始まると食べられなくなるから、レストランに行こう、一泊温泉に行こう」といった提案をどんどん提案していきました。
実際に実行できたのは5回ほどでしたが、妻はこれらの提案を喜び、励みに治療を受けてくれていたと思います。
たくさんの思い出を作ることができました。
このときの思い出があるからこそ、残された私は今を前向きに生きることができています。
残されてしまう家族自身にとっても、近い未来を思い描き、少しでも実行することは大切です。
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