ある日突然、親ががんになってしまったら。
これまで生きているのが当たり前で、20年、30年先も元気でいてくれるだろうと思っていた親に突然のがん宣告。
患者さん本人はもちろん、お子さんも大きなショックを受けます。
どう接すればいいのか、かけてはいけない言葉、有意義な時間を過ごすために何ができるかを一緒に考えてみましょう。
がんの親(患者さん)への接し方
- 普段どおりに接する。
- 患者さんの気持ちや希望を尊重し、共感する姿勢を持つ。
- 前向きに、明るく、治ると絶対信じる。
がんになってしまうと、これからの生活が治療や闘病中心になるのはどうしても避けられません。
治療費などの経済的な問題も出てくるでしょう。
しかし、患者さんへの接し方まで大きく変えることは全くありません。
普段どおりに接する
がんになったからといって、腫れ物に触るかのように接したり、まだできる身の回りのことを必要以上にやってあげようとするのは、逆に患者さんに「がん患者だから」という認識を強く持たせることになり逆効果です。
普段どおりの生活、会話を心がけましょう。
がんに対して不自然に話題を逸らしたりすることも良くありません(患者さんが話題にしたくないと望むなら別です)。
必要であれば、普段の会話の中でがんについて話すことも必要な場合があります。
患者さんの気持ちや希望を尊重し、共感する姿勢を持つ。
患者さんがどのように治療したいか、選択できるところはしてもらうようにするのは、患者さんにとってがんと闘う意識をしっかり持ってもらうことができ効果的です。
時にはネガティブな発言や、投げやりな言葉がでてくるかもしれません。
そういう言葉に反論や意見をしたくなってもグッとこらえて、聞き役に徹しましょう。
患者さんの言葉に耳を傾け、共感し、相槌を交わすことが、患者さんの心に寄り添うために大切なことなのです。
※患者さんの気持ちに寄り添うことの大切さはこちらでも書いていますので、あわせて読んでみてください。
■がん患者の家族ができる3つの心のケアと重要事項。
前向きに明るく、治ると絶対信じる
「病は気から」という言葉があります。
がんだから、もう治らない、何も希望がないとネガティブな気持ちで患者さんに接するのは治療効果にも悪影響があるという研究報告がでています。
がん=不治の病という時代はもう終わりました。
医療は進歩し、10年前は到底助からない症状でも、現代では完治もしくは10年生存率は格段に向上しているのです。
気持ちを強くもって、もうがんなんて怖くない!家族でがんばろう!という強い気持ちを持ち続けることは非常に大切なことです。
やってはいけないこと
- 食事療法や民間療法の押し付け
- 過度な励まし
がんになってしまった親のために何かしてあげたい、できることはないのだろうかと考えることは当然のことです。
しかし、それが本当に患者さんのためなのか、独りよがりになってしまってはいないか、考えてみましょう。
食事療法や民間療法の押し付け
今ネットで「がん 食事療法」などと検索すると、沢山の食事療法や民間療法、きくといわれているサプリメントの情報がでてきます。
それをみて、あれも試したい、これも効果がありそう、となってしまう人は多いのではないでしょうか。
実際に効果のある食事療法や民間療法もあります。
しかし、すべてがそうではありません。
悲しいことに、中には、がん患者さんや、家族のわらにもすがりたい思いに付け込んだ、実際は何も効果がない療法を高額で販売しているところもあります。
自分は、親ではありませんが、妻ががんになったとき、治療法を探しまわり、あれこれ食事療法や効くといわれた療法をためしました。
しかし、効果はほとんどなかったばかりか、妻を混乱させただけでした。
民間療法の根拠のない「完治する!」の言葉を妄信している状態は非常に危険です。
本当に効果があるのか、あふれる情報を取捨選択することが大切です。
押し付けるようなことは決してやってはいけません。
過度の励まし
過度の励ましは患者さんにとって辛いだけのこともあります。
「これだけがんばってるのに、まだがんばれというの?」と反発されることも少なくありません。
励まし過ぎず、自然体の普段の気遣いが、患者さんにはとても嬉しく、落ち着くものなのです。
こちらにも詳細を書いていますので、あわせて読んでみてください。
■家族がガンになったら絶対してはいけないこと、言ってはいけない言葉。
まとめ
親ががんになってしまったら、まずは親御さんに寄り添い、気が済むまで話をきいてあげてください。
そして何を望んでいるのか、何を一番したいのかを確認して、できるうちに叶えられるように努力してみてください。
残された時間をどう過ごすか、思い出作り、残したいこと、患者さんには希望がきっとあるはずです。
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