がんが進むと「悪疫質」という状態になります。
悪疫質、あまりききなれない言葉ですが、がんと密接なかかわりがある言葉です。
悪疫質とは何なのか、悪疫質になるとどんな症状が現れるのか、対処方法はあるのか、などの疑問がでてきます。
今回は、悪疫質についてと、それに伴う筋力低下をはじめとする症状を解説します。
悪疫質とは
悪液質とは病状の進行に伴い体が消耗していく状態をいいます。
がんに限らず、様々な慢性疾患や栄養不良の末期の症状とされています。
身体が吸収しようとしている栄養を、代わりにがん腫瘍が吸収してしまうために、身体が消耗してしまう状態です。
具体的には、体重減少、低栄養、体力低下、筋力低下を刺します。
筋力低下について
がん患者の半数以上が、悪疫質による筋力低下、体重低下を経験します。
健康な時はダイエットを頑張ろうとしてもなかなか体重を落すのは難しいものですよね。
健康なときは何もなくても急にやせたり、太ったりすることはないのは体がバランスをとっているからなのです。
ガンが大きくなると、異常な炎症のシグナル「炎症性のサイトカイン」と呼ばれるものが大量に分泌されます。
この「炎症性のサイトカイン」が異常に大量生産されると、筋肉や脂肪が分解されてしまい、必要なたんぱく質を作れなくなります。
筋肉と脂肪が分解されるため、筋力は衰えてゆきます。
このため筋力が低下し、寝たきりになって体力を消耗していくのです。
妻のがん体験談
妻の悪疫質は、痩せて体力が落ちたことがかなりはっきりわかりました。
病的な痩せ方というのがひとめでわかる痩せ方で、周囲の人にも説明せずとも察せられる状況でした。
妻は鏡で自分の姿を見るのを嫌うようになり、起床時の顔を洗うのと、入浴が辛そうでした。
特に入浴は自身の痩せた姿を直視することになるのできつかったのだと思います。
心配させまいと、「鎖骨に水がためられるようになっちゃった」とおちゃらけて言っていたのを思い出します。
妻の心境を思うと、思い出しても涙がでます。
まとめ
悪疫質になると、体力や筋力が衰えていきます。
ダイエットの失敗例をたくさんきくように、何もせずにやせていくというのは体の危険信号です。
この症状はがんの症状、治療状況、患者さんの体力によっても進行状況は異なります。
患者さん、主治医さんとよく話をして、今何をすべきか、治療方針を進めていきましょう。
体力と食欲があるうちに、患者さんのやりたいことや望むことをできる範囲でかなえてあげてください。
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