家族や大切な人ががんと宣告されると、家族全体に大きな変化が生じます。
治療にかかる医療費、仕事の問題、身の回りの世話といった問題などです。
その中でも特に重要なのが心のケアといえるでしょう。
今回は家族ができる、がん患者への心のケアについて書いていきます。
がん患者の家族ができる3つの心のケア
がん患者の家族ができる心のケアは大きく分けて3つあります。
- いつもどおりに接する。
- 「がんばれ」と励まし過ぎない。
- 患者さんの気持ちを尊重、共有する。
がんになったからと周囲が動揺していたりすると、患者さんはそれ以上に不安にかられます。
特別扱いや腫れ物に触るような扱いをせず、普段どおりに接し、患者さんと沢山話をして気持ちを共有することが何より大切です。
いつもどおりに接する
がんになってしまったことをきっかけに特別扱いや腫れ物に触るような扱いをすることは、患者さんは不安にかられ、家族の中でも孤立感を感じてしまうことになります。
がんになっても今までどおりやれること、やれないことがあります。
それらを主治医に確認したうえで、出来る限り普段の生活をいつもどおりに送らせてあげてください。
患者さんにとって、がんになってしまった事実に加え、家族や周囲の扱いが変わってしまうことは何よりつらいことなのです。
がん患者である前に、家族、大切な人であることを、常に心にとめておきましょう。
「がんばれ」と励まし過ぎない
治療や闘病生活をがんばり続けている中、家族や周囲から「がんばれ」という言葉をかけられると「こんなにがんばってきたのに、これ以上何をがんばればいいの?」という気持ちになることがあります。
周囲にとって励ましているつもりでも、患者さんにとってはもっと耐えなさい、まだやれるでしょう、と重荷にとらえられることもあるのです。
「がんばってるよね」「大変だよね、つらいよね」今がんばり続けている患者さんへの同意といたわりの言葉が、患者さんにとって安らぐ一言になります。
患者さんの気持ちを尊重、共有する。
患者さんの気持ちを理解し、共有することは、家族や周囲の人にしかできない大切なことです。
患者さんは討論をするために話をするわけではありません。
ただただ話をきいてほしい、違うとわかっていても「そうだね」と言ってほしい時もあるのです。
たとえ否定、反論、別意見を言いたくなるような内容でも、できるだけこらえて、患者さんの言葉や話を聞き続け、共感するように努めましょう。
黙って患者さんの言葉に耳を傾け、相槌を交わすことが、患者さんに寄り添う姿勢になります。
相談の答えより相談をすることへの理解を深めるようにしましょう。
まとめ
- がん患者の家族にできることは、共感し寄り添い、普段どおりの生活をすること。
- 特別扱いをされることは、患者さんの不安を助長してしまいます。
- 患者さんの話に耳を傾け、寄り添い、共感することに努めましょう。反論は避けましょう。
患者さんは不安や治療の苦しみ、痛みからネガティブになったり、いらだったりと、家族を困らせることもあります。
慰めているつもりが患者さんの心を傷つけてしまうこともあります。
これは家族にとっても悲しいことです。
特別扱いせず、病気に対する話題を不自然に避けるようなこともしないようにしましょう。
患者さんの気持ちを尊重したやり取り、同意(同情ではありません)を交えた受け答えを心がけると良いでしょう。
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